キッチンに棚受けを使わず、おしゃれに飾り棚を取り付けるにはどうすれば良いの?
この記事では、棚受け金具(ブラケット)を使わず壁に飾り棚を取り付ける方法を紹介しています。
この方法は、板を支える金具も使わないので後付け感がなく、おしゃれなキッチンに仕上げることができます。
もちろん、既存の壁を剥がす必要もありません。
現状の壁のままで取り付けることができるので、DIYにおすすめです。
この記事をご覧いただくと、棚受け金具を使わず、壁に飾り棚を取りつける方法が分かるので、よかったらチャレンジしてみてください。
DIYでキッチン壁に飾り棚を取り付ける方法
ブラケットを使わず既存の壁に飾り棚を設置するのは、決して難しくありません。
分かりやすく5つの工程に分けて説明していきます。
下地チェックと寸法測定
間柱の位置を確認する
棚板を設置するための間柱(下地)の位置を確認しておきます。
間柱の位置は、手で壁をコンコンと叩いて音の違いで検討をつけ、下地チェッカーで正確な位置を確認します。
間柱の位置は、マステなどで目印を付けておきましょう。
飾り棚の長さを決める
1列は物足りなく3列もいらないので、我が家は2列でバランスの良い長さを検討しました。
バターン | 下段 | 上段 |
A案 | 1000㎜ | 1000㎜ |
B案 | 1200㎜ | 800㎜ |
C案 | 1350㎜ | 650㎜ |
我が家では背面壁のスペースと間柱の位置を考慮し、B案が最適と判断しました。
下段が1200㎜、上段が800㎜です。
そこで、2000㎜のタモ材を材木屋で購入することにしました。
木材の調達
木材選びは悩むと思いますが、樹種はよく考えて購入したほうが良いです。
それは設置するのがキッチンという人目につきやすい場所だからです。
個人的には安価なSPF材やパイン集成材はおすすめしません。
クローゼットの棚など隠せる場所ならともかく、キッチンはかなり目立ちます。
SPF材やパイン材は密度が低く、欠けや汚れもつきやすいので木材を選ぶ際は気を付けましょう。
このような理由で、我が家では、「タモ・ナラ・ウォルナット」を候補にあげました。
これらの木は密度もそこそこ高く丈夫で非常に質感が良いです。
特にワックスを塗ると色に深みがまして見惚れてしまうほどです。
残念ながらこれら銘木と呼ばれる木材は、ホームセンターでは買えないので材木屋で購入しなければいけません。
もちろん、ネットでの注文も可能です。
今回、私がタモの集成材を注文したのは、マルトクショップという材木屋です。
よければ参考にしてください。
もちろん、他にも材木屋はあるので、こちらの記事もご覧ください。
飾り棚の作り方
では、ここからは飾り棚の作り方を紹介していきます。
木材への墨付け
先ほども書きましたが、2000㎜のタモ材を上下2段に設置するために、まずは墨付けを行います。
板の側面に墨付けするのはなぜ?
その理由は、以下の画像を見ていただくと分かると思います。
板の側面に中央線を引く理由は、木ダボを埋めるための下準備です。
もちろん、木ダボを等間隔に取り付けるための墨付けも忘れないようにしてください。
丸ノコで1枚の板を2枚に縦引きしている画像もあるけど、何センチくらいが良いの?
ダボ継ぎで棚板を取り付けた時に「受け側に掛かる力」と「全体の強度」を考えると良いと思います。
こちらでは、幅140㎜の板を「20㎜と120㎜」に縦引きしています。
そして、20㎜の方が受け側、120㎜の方が棚板です。
例えば、受け側にダボが10㎜しか埋まっていないよりも20㎜埋まっている方が、棚板の重さを受け側がしっかりと支えて安定しそうというのは容易に想像できますよね。
※材質の良いきれいな板を使って棚を作りたい方は、ホームセンターで入手困難な木材!ウォールナットなど広葉樹はどこで買う?でまとめているので参考にしてみてください。
材料の切り出しと加工
墨付けができたら、続いて木材加工です。板側面の中心線に等間隔でダボ穴を開けていきます。
ダボ穴の深さが分かるように、ビットにマスキングテープを巻いて目印しておきましょう。
ここでは、長さ40㎜のダボに対して42㎜のダボ穴を開けています。
私が使っているこちらの竹用ドリルは抜群の切れ味です。
バリが全く出ないので切り口がとてもきれいです。
続いて、幅140㎜の板を120㎜と20㎜に縦引きしていきます。
縦引きができたら、幅20㎜の材を加工していきます。
こちらの材はビスで壁下地の間柱に取り付けるため、下穴をあけビス頭が収まるように面取りもしておきます。
下穴を開ける位置は、間柱が通っている位置!
最初に間柱の位置をチェックした時に墨線を引いておきましょう。
加工し終えると、下の画像のようになります。
上段と下段でそれぞれ2枚ずつ!
部材が完成したら、あとはキッチンの壁に取り付けるだけです。
壁に設置する前に、木材のやすりがけも忘れずやっておきましょう!
ヤスリがけについては、木材を上手に磨く『ヤスリがけのコツ』とは?の記事にまとめています。
そして、やすりがけの後にはワックスでコーティングもしておきます。
色に深みと味を持たせてくれますよ。
壁に部材を取り付ける
ここからは加工した部材を壁の背面に取り付けていきます。
最初に棚受け側(幅20㎜の材)が水平になるように取り付けます。
画像では分かりにくいですが、間柱の位置に合わせて「左・中・右」の3箇所をビスで固定しています。
棚受けが固定できたら、こちらの木ダボを埋め込んでいきます。
木ダボは金槌で軽く叩いて打ち込みます。
木ダボが壁に達すると音が変わるので、音が変わったら打ち込みをやめます。
木ダボの打ち込みができたら、棚板側(幅120㎜)の材をはめ込んでいきます。
金槌で叩くときは当て木をして棚板にキズがつかないようにします。
上の画像は、途中の画像ですので、ここから更に奥まではめ込みます。
接合部はボンドなしです。
ボンドを塗ってしまうと取り外しができなくなるので気を付けましょう。
1段目の取り付けができました。
2段目も同じ要領で取り付けていきます。
ちなみに、上と下の板とのキョリは、145㎜です。
以上が、ブラケットなしで飾り棚を取り付けた流れになります。
キッチンの飾り棚が完成
なかなか良い感じです。グレーの漆喰の壁にもよく似合っています。
せっかくなので、家にある小物やグリーンも飾ってみました。
板の継ぎ目も全く目立たず、後付けした棚とは思えませんね。
飾り棚の強度は?どんな物が飾れる?
後付けした棚だし、強度は?
このように心配される方も多いかもしれませんね。
下地のない石膏ボードに直接取り付けているわけではなく、石膏ボードの内側にある下地(間柱)にビス留めしているため少々の物なら問題なく置くことができます。
もちろん、グラスやコーヒーカップも問題なく置けるので安心してくださいね。
鍋など重たいものは、棚受け側への負荷が大きくなるので置かない方が無難です。
飾り棚のDIYに使用した木材・工具
今回の飾り棚(ウォールシェルフ)作りに使った木材と工具は、以下にまとめています。
関連記事も掲載しているので参考にしてみてください。
タモやウォルナットなど無垢・集成材を探している方はこちらの記事を参考にしてください。
電動工具選びに迷っている初心者の方は、こちらの記事を参考にしてください。
飾り棚をDIYで後付けできる「おしゃれな棚受け金具」もある
ここまでは、棚受け金具(ブラケット)を使わない飾り棚の取り付け方を紹介してきましたが、中にはブラケットを使って手軽に棚を設置したいという方も多いと思います。
ブラケット買うならおしゃれな物がいいな。
そんな方に、こんなおしゃれなブラケットがあるので紹介しておきます。
キッチン背面の壁に飾り棚をDIY【まとめ】
今回は、DIYでキッチンの背面の壁に『飾り棚』を作ってみました。
後付けでもブラケットを使わず造作棚のようなおしゃれな棚づくりは可能です。
製作工程もご覧いただきましたが、DIYの難易度もそれほど高くはないと思います。
飾り棚をプロのようにクオリティー高く作りたい方は、良質な樹種を使うことが大切です。
ホムセンで手軽に買えるSPF材やパイン集成材では、いくらワックスを駆使しても銘木のような深みのある味わいを出すことは困難です。
みなさんの理想の飾り棚はいかがでしょうか。
完成イメージを想像しながら、樹種選びをしてみてください。
ニッチ棚を後付けしたい方は、こちらの記事もどうぞご覧ください。