古くから建築などに使われる技法で、DIYでもこの十字相欠き継ぎをスツールや鍋敷き、アクセサリーボックスやアロマオイルスタンドなどに取り入れて手作りされている方も多いです。
木材の接合方法には色んな継ぎ方がありますが、その中でもDIY初心者に取り入れやすい『十字相欠き継ぎのやり方』について、今回はご紹介していきます。
十字を上手く組むためには幾つかのポイントがあるので、そこをしっかりと押さえてチャレンジすれば、きっとあなたにも出来るはずですよ!
十字相欠き継ぎのやり方
先程も書きましたが、十字相欠き継ぎは材同士を十字に組む接合方法です。
要するに下の画像のように「線で囲った所を欠いてはめ込めば良いだけ」なのですが、これにはちょっとしたコツが必要になるんです。
そのコツを出来る限り分かりやすくこちらにまとめているので参考にしてくださいね。
組み合わせてみたけどグラグラだ!とか、窮屈すぎて全然はまらない!
なんて事もあるので、一つ一つの工程を慎重にやっていきましょう。
それでは早速、相欠きにチャレンジ!
欠きたい所に墨線を引く
こちらの記事では、35㎜角の角材を使っています!
最初に、角材を2本並べ、材の厚みに合わせて35㎜幅の墨線を引いていきます。
この時ですが僕は
- 組み合わせた時に面が同じになる様に、片方を裏返して置く!
- 2本の角材がずれない様にしっかりと押さえておく!
- 鉛筆の先を尖らせて直角の線を引く!
様にしています。
側面にも墨線を引く
続いて、側面にも墨線を引いていきます。
角材の厚みが35㎜ですので、その半分の17.5㎜のところで線をつなぎます。
こちらで使っている定規はストッパー付きなので、ケガキ作業がとっても簡単にできますよ!
はい!これで墨付けはOK!
切り込みを入れる前に治具じぐを作っておこう!
切り込みを入れる前に少し面倒でも「治具」を作っておく様にしましょう!
この治具を使えば、初めてでも真っ直ぐ切り込みを入れられますよ。
真っ直ぐ切り込みを入れないと、組んだ時に隙間ができて不細工になっちゃうから要注意!
1つ作っておけば、苦手なノコギリも大丈夫!
そしてこの様に「治具」をセットします。
2本の角材がズレないようにクランプで固定しておきましょう。
ちょうどマグネットシートで墨線が見えなくなるくらいか、それよりちょい内側くらいがちょうど良いと思います。
ノコギリはアサリのない物を使う
使うのはこちらの「アサリなしのノコギリ」です。
どうして「アサリなし」のノコギリなの?
それは、マグネットシートを傷つけない為!
アサリが付いているノコ刃を見てもらえると分かるんですが、刃が左右交互に振られているんですね。
これをマグネットシートにくっ付けて切ろうとするとシートを傷付けてしまいボロボロになってしまうんですよ。
こちらのノコはそのアサリがないのでマグネットシートを傷つけず、そして狙った所に綺麗な切り込みを入れられるのでDIYで大活躍です!
ノコ刃にストッパーを取り付けて一定の深さの切り込みを入れる
直角治具で両サイドに切り込みを入れたら、続いてその内側にも切り込みを入れていきます。
この切り込みを入れる時に使うのが、こちらの細工したノコなんです。
細工と言っても、ベニヤ板をスプリングクランプで止めただけなのですが、これが結構使えるんですよね!
ベニヤ板がストッパーの役割を果たしてくれるので、切り込む深さが常に一定。
特別な技術は要らないのでやってみてください!
切り込みを入れる間隔は、2㎜間隔くらいで良いじゃないですかね。
これは気にせずアバウトでOKです!
ノミで欠く時のポイント!
切り込みを入れたら、ノミで欠いていきます。
ノミで欠く時にもポイントがあるので押さえておいてくださいね!
一発目からノミの刃先を墨線に合わせない!
一気に欠きたい気持ちは分かりますが、最初から刃先を墨線に合わせない様にしましょう!
画像を見てもらえると、墨線のちょい上辺りに刃を入れているのが分かると思います。
取り除けるところを先に取り除いてから、最後に刃先を墨線に合わせて仕上げていく様にします!
ノミで削る時は両側から削る
ノミで削って形を整える時は、一方向から全て削り取らず、中央に向かって両側から削る様にします。
半分削ったらクルッと反転させて残り半分も削る!です。
こうする事で正確に欠けて側面の割れ防止にもなるんですよ。
欠き終わったら高さもチェック!
17.5㎜!問題なさそうですね。
そして!
十字にはめ込む前に、鉛筆で指している角だけ金槌で軽く叩いて「木殺し」してやると多少窮屈でもはめ込みやすくなりますよ!
木殺しするのは、組んだ時に見えないこの部分だけ!
誤って他を叩かないように当て木をしてやるのも一つの方法です。
もちろん、ヤスリで軽く面取りしてもOKです。
組み合わせる時に角が割れない様に、こういった対策もしておきましょう!
はめ込みがキツすぎる時はどうするの?
いざ組み合わせようとすると、窮屈すぎて全然入らない!
なんて事もあります。
そんな時は、無理やりはめ込もうとせず次の方法をとってみましょう!
欠き幅を広げる
こちらはノミで薄く削って欠き幅を広げる方法です。
この方法は、ノミの刃を真っ直ぐ下ろして削らないとダメなので、90度の角材を利用するようにします。
- ただ気を付けたいのが、必要以上に削りすぎないこと。
- ノミを角材にしっかり沿わせて削るということ。
削りすぎると、はめ込んだ時にグラついてしますので気をつけましょう。
カンナかヤスリで削る
他の方法として、ヤスリやカンナで削りながら材の厚みを調整していく方法もあります。
削るのは丸印のところ!
ヤスリなら一気に削りすぎる事もないので失敗が少ないと思いますよ。
十字相欠き継ぎが完成!
実際に加工した角材を組み合わせると、こんな感じですっぽり!
特にボンドも使わずしっかりハマっています。
相欠き継ぎは格子や鍋敷き、鉢置きやスツールなど色んなDIYに活かせる技法なので、まだ一度もやった事がないという方は是非チャレンジしてみてくださいね!
十字相欠き継ぎに必要な工具
それでは、今回の十字相欠き継ぎに使った工具をご紹介しておきます。
これくらいなら自宅にある方も多いですかね。
中には持ってない方もおられると思いますが、木工DIYではよく使う道具ばかりなのでよかったら揃えてみてくださいね。
ノミを買ったら最初にすることも一緒にご覧ください。DIY向けの安価なノミでも切れ味がアップしますよ!
十字相欠き継ぎのやり方【まとめ】
いかがだったでしょうか?
木工DIYが進んでくるとこう言った『相欠き』を取り入れた作品作りにも挑戦したくなりますよね。
そんな時は初心者でも始めやすい『十字相欠き継ぎ』から始めるのがおすすめ!
相欠きは精度が求められる技術ですが、何事もチャレンジです!
私もまだまだ初心者レベルですが、木工DIYライフを楽しみながら少しずつ腕を磨いていこうと思います。
十字相欠き継ぎは、スライド丸鋸を使っても出来ちゃうよ!